会長挨拶
このたび、愛知県名古屋市におきまして第66回日本酸化ストレス学会学術集会を開催させていただきますことをたいへん光栄に思います。ここ東海地方におきましては、昨年度日本酸化ストレス学会東海支部が新たに結成されました。この地域の多数の大学が有機的に結合しながら酸化ストレス研究の1つのクラスターに成長していくことを期待しています。私自身医学部3年生の学生のときに初めて研究活動に出逢ってからすでに30年余が経過していますが、ヒトの病気を研究すればするほど、「酸化ストレス」の重要性を改めて認識する毎日です。本会におきましては、下記の内容を含めた意欲的なプログラムを現在鋭意準備中です。
教育講演として、祖父江 元 先生(名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授)に「神経変性疾患の病態に基づく治療への展望」をテーマに話をしていただきます。日本人の高齢化に伴いますます重要になってくる認知・運動機能の維持に関わる研究の最新知見を勉強できるチャンスです。特別講演は2つあり、貝淵 弘三 先生(名古屋大学大学院医学系研究科 神経情報薬理学 教授)には「タンパク質のリン酸化:シグナル伝達研究に残されたブラックボックス」の話をしていただきます。シグナル伝達の根幹であるタンパク質のリン酸化に関する最新知見をご紹介いただきます。リン酸化とレドックス研究とのクロストークが注目されます。特別講演2は堀 勝先生 (名古屋大学大学院工学研究科 集積プロセス講座 ナノプロセス 教授)による「大気圧・液中プラズマの医療応用におけるフリーラジカル」です。プラズマとは、プラズマテレビのプラズマ、あるいは雷に関わるプラズマであり、固体でも液体でも気体でもない第4の物質状態です。これはごく最近話題になってきた分野であり、工学分野から医学生物学分野へ今、大きな進展がみられようとしています。学会賞講演は安西 和紀先生(日本薬科大学)に、学術賞講演は吉田 康一先生(産業総合技術研究所)にご発表いただきます。また、恒例となっております学術奨励賞候補講演も1日目の朝一番に予定しております。
名古屋には、名古屋城・熱田神宮・徳川美術館に代表される「歴史・武家文化」、ものづくりの現場を見学できる「産業観光」、ショッピングやグルメ(セントレアやタワーズはお勧めです)、動物園や水族館など「都市のアミューズメント」もあります。日本酸化ストレス学会会員の先生方は勿論、初めてこのホームページをご覧になった先生方も、是非教室の若手や学生のみなさまと一緒にご参加いただきますよう、事務局一同心よりお待ちしております。
第66回日本酸化ストレス学会学術集会
会長 豊國 伸哉